
2019.09.13
「立平」の施工各部を見ると解かる優秀性 宝塚市のマンションでJFEライン立平333のカバー工事をしました。 立平によるカバー工事のポイントを見ると、屋根剛性が高いことが解ります。 雨水の侵入を許さない立平の設計構造と、棟構造は雨水が侵入しない事も解ります。 緩勾配の片流れ屋根に流…

宝塚市に位置する重量鉄骨造3階建て賃貸マンションのオーナー様(施主様)に屋根工事を検討した理由(原因)を伺いました。 「2017年10月に襲来した台風21号はかなりの強風を伴っていたようで、私どもが運営するマンションにも被害が出ました。」 「通常マンションの屋根は平たい形状をした陸屋根が多く、いわゆる屋根とは一線を画す屋根構造だと思っていました。」 「でもうちのマンションは、いわゆる屋根と同じ構造、形状で、台風による強風被害を受ける可能性があった事を今回初めて知った。」 「屋根被害が出たのはうちのマンションだが、飛散した屋根材は周囲の家屋にもおよび、近隣様にも迷惑をかけたから。」とおっしゃいます。 重量鉄骨造3階建て賃貸マンションの屋根がカバー工法で生まれ変わりました。 築23年と比較的新しい屋根にも、カバー工事しなければならない理由がありました。 アスファルトシングル葺き屋根⇒JFEライン立平333ガルバリウム鋼板屋根に! カバー工法が、アスファルトシングルの弱点を解消し、耐用年数の長い強靭な屋根を作りました。
場所:宝塚市
物件:3階建て賃貸マンション
構造:重量鉄骨造3階建てコンクリート屋根
規模:屋根面積141.6㎡ 軒先16.3m ケラバ8.7m
屋根:アスファルトシングル葺き
形状:アーチ型(かまぼこ状ドーム型)
アーチ形状(かまぼこ状ドーム型)屋根の重量鉄骨造3階建て賃貸マンションは、アスファルトシングル葺きで仕上がっていた屋根でしたが、カバー工法によって「JFEライン立平333ガルバリウム鋼板屋根」の設えに変わり、耐用年数が長い(経年劣化によって雨漏りし始める時期が通常工法よりも相当期間伸びるメリットを兼ね備える事ができる)強靭な屋根工事が完了しました。
台風21号と言うと2018年9月に近畿地方に甚大な被害をもたらした記憶、記録が有名ですが、2017年10月の21号も相当な被害を出した台風でした。
マンションなのに「いわゆる屋根」と同じ構造、形状である認識がなかったオーナー様(施主様)には、被害を受けた自覚がなかったのです。
ところが強風で飛散した屋根材はアスファルトシングル材で、近隣家屋の外壁を黒く汚損する二次被害を出してしまいました。
近隣様からの通報を受けて、真贋を確かめるべく「街の屋根やさん宝塚店」に調査依頼をされた事で、ご自身および周囲の二次被害に気付かれました。
今次の強風で140㎡を超すマンション屋根に葺かれたアスファルトシングル屋根材が100枚を超えるであろう台風被害を受けたのは事実です。
しかし結論から申し上げると、雨漏りが始まる可能性は極めて低い、もし始まったとしてもごく微量で気付く事は難しいでしょう。
その理由は、屋根防水の要であるルーフィングシート、20数年程度の経過では十分に耐用年数があるので、限界を超えていない点が挙がります。
次なる点は強風で引きちぎられた屋根材アスファルトシングルの被害箇所を見ると、先端部分に限られ、固定部分は強固です。
先端部に被害が出たとはいえ、設計通り張り重ねられたアスファルトシングルは、雨漏りを回避していると判断できます。
しかし注目すべき点があります。それはアーチ形状(かまぼこ状ドーム型)屋根の位置による勾配変化があります。
軒先に近い位置では勾配が急になっていますが、頂上に近い位置では水平に近い緩やかさである事で、雨水が這い上がる恐れがあります。
マンション全体の屋根を俯瞰すると、強風被害を受けた部分は、頂上に近いところに点在している事が見て取る事ができます。
雨水が速やかに流れ落ちない緩勾配部位に被害が多い事は、雨の降り方と滞留雨水の量によって雨漏りに繋がる可能性を示唆しています。
カバー工法は屋根重量が増える欠点ほかの要因で、葺き替え工法と比較して提案し、長短を熟慮しながら施主様に決めて頂きます。
築23年の賃貸マンションは、木造ではなく重量鉄骨造で鉄筋コンクリートにも劣らない堅牢な構造躯体でありました。
その他にカバー工法採用に踏み切った大きな理由は、既存屋根材および副資材を活かす(残す)ことで、新しい屋根材と既存屋根材の二重の屋根になり、耐用年数を長くすることだったのです。
家、マンション、ビルなどの建築物は自然環境に晒されているので、経年劣化が進行し、一定の維持管理が求められます。
それは屋根工事、屋根葺き替え工事、屋根カバー工事、外壁塗装工事や部分補修工事、マンションやビルなどの大規模修繕工事に至ります。
しかし自然劣化に晒されない状態を作りあげた屋根カバー工事の下部にある建築資材は、想定以上の耐用年数を超えます。
元々のアスファルトシングル屋根材、その下に敷設されたルーフィングの大半が耐用年数を迎えることなく部分被害を受けただけで残っています。
そこにJFEスチール立平333屋根材で新しくカバー工法により重ね葺きされた事で、防水力が葺き替え以上に強靭になったのです。
カバー工法によって、太陽光に含まれる最大の劣化因子である紫外線の直射に合うことがなくなった、アスファルトシングル材およびルーフィングは飛躍的に寿命を延ばすでしょう。
屋根の形状が「アーチ型(かまぼこ状ドーム型)」で、平面ではない事からアスファルトシングルが採用されていたのです。
アスファルトシングルは一見するとカラーベスト(コロニアルやスレートとも呼ばれる)によく似た外観をしています。
しかし手で簡単に曲げる事ができる柔らかさがあり、カッターナイフで切断する事が可能で、自由自在に追随させる事が出来ます。
アスファルトシングルで葺き替え工事をする事が最もシンプルで、「アーチ型(かまぼこ状ドーム型)」に追随させやすいと言えます。
お馴染みのスーパーガルテクトや横暖ルーフでのカバー工法も不可能ではありませんが、硬質の平板屋根材はアーチ型への追随性が劣ります。
立平も硬質の平板屋根材ですが、曲面加工が可能(急激な局面は不可能)ですので、屋根躯体への追随性がアスファルトシングルに劣りません。
大棟で左右に2分割して仕上げますが、どちら側の屋根も、大棟から軒先まで1枚の屋根材が連続していて継ぎ目がありません。
(大棟で左右に分割しないで、1枚の屋根材として仕上げる事も理論上可能ですが、このマンションでは不採用になりました。)
特に大棟付近は屋根勾配がほぼゼロ(傾斜のない平面)になるので、一般の屋根材の採用は不適切な判断になってしまうでしょう。
ルーフィングシートは屋根の防水シートであり、二次防水の役割を果たす建築副資材として欠かす事はできません。
尤も、既存のアスファルトシングル屋根も23年しか経過しておらず雨漏りしないので、ルーフィングシートなしでも問題ないでしょう。
しかしせっかくの屋根工事の機会を迎えているのに、ほんの僅かな建築資材と作業費を惜しんでルーフィングシートを間引きたくないもの。
屋根工事の基本原則ですが、軒先から敷き詰め始めます。粘着式なので裏面フィルムを少量ずつ剥がしながら進めます。
1段目が終わると2段目に入りますが、上下方向(水流れ方向)は、メーカー指定通り100mm以上の張り重ね代を取ります。
ルーフィングシートは両側の軒先から張り上がって行きますが、屋根の頂上である棟ではどちら側を上下にするのでしょうか。
答えはどちらでもありません。大棟に新たに1枚を敷き込んで、両側のルーフィングシートに均等に被せ込むようにして仕上げです。
役物(やくもの)とはなんでしょう?
軒先の水切り板金(カラクサ)やケラバ水切り板金、谷板金や棟板金ほかを指しています。
軒先水切り板金とケラバ水切り板金(捨て板金)は、JFEスチール立平333を敷き詰めて葺いていく前に設置します。
このマンションの屋根はアーチ型(かまぼこ状ドーム型)をしているので、少し特殊な屋根に感じるかも知れません。
ケラバと屋根面が曲面、曲線であるだけであって、これは「切妻屋根」だと思えばシンプルに理解する事が出来ると思います。
1枚4,500mm程度の屋根材が現場に搬入されますが、これを100枚、複数人が協力し合って屋根の上に揚げて行きます。
1枚当たりの重量は、さすがガルバリウム鋼板屋根材で、数キログラムと言った軽さです。何枚かまとめて持ち上げる事もできます。
しかし4mを超える長さの屋根材は、そよ風が吹いても、風圧を受けて煽られます。一番怖いのは風圧に抵抗すると屈折してしまう事です。
屈折してしまったらもう使用する事は出来ません。曲面加工をし直す必要があるので、即日手配は無理になってしまいます。
(もし前面道路の幅員や予備敷地が十分にある場合は、ユニックなどを手配して屋根への荷揚を行います。)
JFEスチール立平333は完全なる工業製品であり、寸分の誤差もなく仕上がっていると考えて間違いはないと思います。
であればプラモデルを創るかのように誰が仕上げても同じものが出来るはずですが、実はそう簡単に行かないところが難しい所です。
立平は両側に雄山と雌山が成形されていて、左右方向で嵌め合いながら連結されます。嵌め合う山と山はバネのような働きもします。
そうすると微妙な誤差が発生します。工事中に請ける日差しで熱膨張もしますので、これらも誤差を生じさせる要因です。
その上そもそも建築物が寸分の誤差もなく出来上がっているのか?そんな建物は見たことがなく、必ず寸法誤差が生じています。
簡単に工事が進んで行くように思う方もいらっしゃいましょうが、実は理に適った判断と変化を感じる力、慎重さ丁寧さが求められます。
これらが欠落した人が施工をすると、一瞥ではっきりと解るほど歪んだ屋根に仕上がってしまい、失敗工事に成り下がります。
施工中に、しばしば発生誤差がどの程度で推移しているかを丁寧に確認して、その都度補正しながら工事を進めるのが肝要です。
立平の棟包み板金は、スーパーガルテクトや横暖ルーフ、カラーベストなどの棟包み板金とは構造が少し異なります。
ご覧のように左右の嵌め合いリブ(雄山と雌山)が立ち上がるので、棟包み板金が谷部分の地金まで沈むことが出来ません。
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