先週の作業では雨が降ってきて作業を完成させることが出来ませんでしたので、週明けの月曜日に最終仕上げの作業を行いました。
アーチ形状屋根の大棟包み板金役物、サンバナの仕上げと留意点


たてはぜ葺き方式の屋根材ですので、はぜ継ぎ用の立ち上げ山が存在するので、大棟を被せても隙間が生じます。この隙間から強風を伴う雨降りの日には、大棟板金の内部に雨水が吹き込んでしまいます。


横雨吹き込み防止エプロンの設置が終わったので、大棟包み板金の最終仕上げに入ります。北側ケラバから取り付けて行きます。まずは定石通りの水平方向からの固定です。通常は釘で固定していきますが、このマンションは風の影響を受けやすいので、スクリューねじで固定します。


板金職人さんによる箱包みを施してもらいます。別のガルバリウム鋼板を用意して所定の寸法に裁断して、折り込んで作成します。箱包み前に見える折り返しがミソです。
この折り返しがばねの役割を果たしますので、風で揺れても軋み音が出ない仕組みになっています。
普通、棟板金の仕上げには、棟板金の上部からビスや釘を打って固定することはありません。原則は棟板金の横の面から水平に打ちます。しかしこのマンションでは掟破りの脳天打ちをします。

風の影響にも絶対に負けない強度を持たせるためです。そして上面からビスを打つ場所も肝になっています。棟芯付近まで屋根材が到達していますが、屋根材の最頂部には水返しが付いています。その水返しよりも外側にビスを打てば、万一の雨水もガルバリウム鋼板屋根材の上を流れ落ちていきますので、100%雨漏りすることはないのです。

脳天打ちしたビスの頭には、最後にコーキング材を塗布します。こうすれば雨水が侵入することはありません。そしてこのコーキング材は指先で渦を描くようにコーキング材を捻じっておきます。


ガルバリウム鋼板製立平の軒先は、このような状態にあります。この鼻先をそのままにしておかず、化粧キャップをしますが、その部材をサンバナといいます。サンバナ自体だけでカチッとはめ込まれてしまいますが、サンバナの内側にもコーキング材を充填しておき、その接着効果を利用してより強固に固定します。