2024.08.05
こんにちは!街の屋根やさん宝塚店、生クリームが好きな京谷です(*^^*)今日のブログは、宝塚市で行った「セメント瓦の無料点検で葺き替え工事をご提案し、お勧めの軽量瓦をご紹介」という内容の記事を書いていきますね!!セメント瓦屋根って皆さんご存じですか?軽量瓦の一種で、戸建ての屋根に…
高槻市で震災風災を受けた瓦屋根はカラーベストに葺き替えます。
カラーベストは歴史が古く多くの家で採用されている、優れた屋根材の一つです。
大人気のガルバリウム鋼板屋根材ではなく従来品であるカラーベストを選ぶ理由がありました。
瓦とカラーベストの屋根材構造の違いからくるモルタル破風の厚みを補正するためと、野地板補強用の構造用合板、ルーフィングの敷設が終わった後の工程は、全周囲が軒先である寄棟屋根に、水切り板金を設置していきます。
軒先に水切り板金を敷設する理由は、軒先から滴る雨水は、毛細管現象でじわりと鼻隠しに伝う水分も出ますので、それを金属板で受け流すためです。
軒先の水切り板金は「唐草(からくさ)」と呼ばれ、金属加工成形技術が身近になった現代では、安価で質の良いガルバリウム製の物が手に入ります。
まずは軒先全周囲に敷設していきますが、ルーフィングシートの上から敷設するのは、水流の論理から反している施工状態です。
しかし水流の論理に反していても大丈夫、問題ない理由が隠されています。
それは街の屋根やさん宝塚店のブログでご紹介しています。
水切り板金唐草の敷設が終わると、軒先から1段目のカラーベストを葺き始めます。最初のカラーベストは幅が狭いものです。
どうして幅の狭いカラーベストを軒先に1枚敷設するのでしょうか。それは軒先で屋根材の勾配を補正するために敷設します。
軒先の勾配を補正する理由が解かりませんね。図式化したものでご説明したいと思います。
カラーベストやアスファルトシングル、瓦などの厚みが影響する屋根材を使う場合、軒先と上段の屋根材では、屋根面の勾配が異なります。
軒先の最初の1枚の屋根材だけは、野地板にべた置きになるので、2段目以上の屋根材と勾配がことなります。それを補正するためにスターターを1枚入れるのです。
これは瓦屋根でも同じ現象が起こりますので、軒先には広小舞と言う瓦と同じ厚みのある下地木材を入れて、全ての瓦が均等勾配になるよう補正します。
実に細やかな心配りですね。伝統的な日本家屋では軒先に必ず広小舞が仕組まれます。瓦屋根の歴史と同じですから、1000年以上前からの先人たちの配慮です。
千鳥張りとは何のことでしょう?千鳥と言う芸人さんがいますが、彼らのコンビ名由来もここに有るかもしれない興味深いものです。
千鳥張りとは、互い違いにカラーベストを張っていくことです。
互い違いとは、次の段の屋根材の中心は、下の段の屋根材の中央に置く状態です。
千鳥と言う鳥をご存知でしょうか。雀のように身近な普通の鳥は2本の足を同時に弾ませるようにちょんちょんと歩行しますが、千鳥は左右交互、しかも一直線上に歩を進める珍しい鳥です。
互い違いに建材を配置して建設を進めることはよくあることですので、千鳥とは屋根工事特有の用語ではありません。
酔っ払いが歩く様を千鳥足と言いますが、昔の人は動植物や自然界の変化をよく観察していたので、こんな慣用語が生まれたのです。
千鳥の決め台詞「灰汁が強い」が屋根工事に関係ありませんし、屋根材を千鳥張りするのはカラーベストに限らない事ですが、今はカラーベストを例に挙げてご説明したいと思います。
次の段の屋根材は必ず張り重ね代を設けて葺き進めます。水流れ方向に張り重ね代がなかったら、屋根材と屋根材の隙間から雨水が入り込むからです。
これは縦方向(水流方向)の話ですが、これは横方向(桁方向)でも同じことが言えるのです。
もし横方向(桁方向)で張り重ね代を設けなかったらどうなるでしょうか。同じくその隙間からは雨水が必ず入るからです。
千鳥張りの反対語は知りません。強いて言うなら身近な小鳥を挙げて、雀張りとでも言えばいいでしょうか。
水流方向の張り重ね代が表面にくる下側には屋根材が存在するので、千鳥張りをしておけば、張り継ぎ目から入る雨水を受け止めて、水下に流しだします。
屋根職人さん2人がかりで、大屋根全部のカラーベストが葺かれました。
あとは大棟と隅棟の包み板金をすれば完成です。
もし棟の包み板金が終わる前に雨が降ったらどうするのかと心配になりますが、幸いにも天気が安定している事と、もう一つ大きに理由が隠されています。
それは次回のブログでご披露しますので、そこで「なるほど」と納得して頂けると思います。
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