宝塚市の事例から棟内部の葺き土が緩んで崩れていく理由を考察する


面戸漆喰を水を入れて練る時はミキサーを使用して混ざりムラがない様均一にする

近年の漆喰は成分にセメントが含まれています。旧来の漆喰よりも防水効果が高い特徴があります。


しかしセメントは水分を吸収する性質があります。水分が僅かずつ侵入すると石灰成分が流出します。


水分を含んだ漆喰は膨張し、発散されて乾燥すると収縮します。夏場に温度が上がると膨張し、冬場に温度が下がると収縮します。この繰り返しは物質を弱めて行きます。


雨後に水分を含んだ漆喰が氷点下の気温になると「凍て割れ」「凍み割れ」を起こすこともありましょう。


たまに起こる大きめの地震エネルギーや、年に数回襲来する台風に伴う強風がもたらす風圧も屋根に影響を与えますので無視できない要因です。

強風時には瓦を浮き上がらせてずれることがあるので定期点検が必要です

陶器でできた質量の高い屋根瓦も風圧で浮き上がります。近年はあまり起こっていませんが、防風時には瓦が飛ばされることがあります。


瓦が飛ばされるほどの風ではなくとも、僅かですが風圧で瓦は浮き上がっています。瓦の重ね合わせ部分が風圧を受けてしまいます。


屋根の頂上である棟付近では平瓦が屋根の両方から向かい合うように追い当てられます。そこに葺き土を盛って棟瓦が被せられています。

棟際の追い当て瓦が風圧で持ち上がると、棟内部の土を弛め、やがて表面の漆喰を剥がし落とす状態になる

棟の内部に潜り込んでいる平瓦を追い当て瓦と呼びますが、それが軽く浮き上がると、漆喰を持ち上げ内部の葺き土も持ち上げられます。


浮き上がる追い当て瓦の先端は、てこの原理で下に下がろうとします。締め固まっている葺き土は、この上下の動きで緩むことになります。


このようにして持ち上げられた漆喰が棟瓦に干渉してひび割れを起こし、内部の葺き土が緩んで土と漆喰が剥がれ始めて行きます。

よく棟瓦を観察すると、漆喰の劣化以外に、棟の内部に水分が侵入する経路がありました。棟瓦頂点の2つの穴です

前述のような要因で漆喰と葺き土が弱くなってくると、漆喰の防水効果が落ちてきますから水分が侵入しやすくなります。


これがさらに葺き土を緩めて行きますので、漆喰と葺き土が剥がれ、漆喰を押し出そうとしていきます。このようにして漆喰の補修が必要になってきます。


しかしよく棟瓦を観察すると、漆喰の劣化以外に、棟の内部に水分が侵入する経路がありました。棟瓦頂点の2つの穴です。


棟瓦は瓦屋根の最後に葺かれる瓦で、銅製の針金で固定されます。そのために2つの穴が必要ですが、口径が必要以上に大きいのが気になります。

棟瓦の表面に出ている針金に雨水が降り注ぐと、針金に伝って導かれるように雨水が棟内部に侵入しますので、大きすぎる棟瓦頂点の穴の影響は少なくない

一般的な和瓦の棟瓦は針金がやっと通る程度の穴ですが、S瓦はそれにくらべて大きい傾向にあります。


直径が5~6mm程度ですから、侵入する水分量は微量ですが、30年の長い時間軸においては結構な影響を受けてきているのではないでしょうか。


棟瓦の表面に出ている針金に雨水が降り注ぐと、針金に伝って導かれるように雨水が棟内部に侵入しますので、大きすぎる棟瓦頂点の穴の影響は少なくないと考えられます。


念のためコーキング材を注入しておくと、雨水侵入を限りなくゼロに近くなりますから、瓦内部が守られやすくなり安心です。

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