2024.10.23
こんにちは!街の屋根やさん宝塚店、生クリームが好きな京谷です(*^^*)今日のブログは、宝塚市で行った「ズレや隙間が発生する棟瓦の修理相談」という内容の記事を書いていきますね!!瓦屋根の接合部分には棟瓦が設けられているものです。瓦屋根は重厚感があり、昔から日本の伝統的な屋根材とし…
宝塚市のいぶし瓦屋根を点検すると熨斗瓦の横ずれが見つかりました。
地上からでもよく見れば分かりますが、普通の人はこれが異常だとは思いません。
横ずれした熨斗瓦のお宅を調査すると、雨漏り寸前またはすでに始まっていることがしばしばです。
日本の住宅は瓦葺屋根が今でも多く、無釉の燻し瓦、色彩豊かな施釉瓦が、街並み、住宅風景を彩って印象付けています。
特に典型的な日本家屋の屋根は和型の瓦屋根が、雨水から建物を守っています。和型の瓦屋根は、いぶし銀の美しさが際立ちます。
瓦屋根の各部をクローズアップして見て行くと、様々な形状の瓦が屋根を覆っている事が解ります。平瓦、棟瓦、袖瓦、軒瓦、鬼瓦・・・
その中にある熨斗瓦は、棟瓦を下支えして、屋根面と屋根面の接合部分に威厳と風格を醸し出す、大棟と隅棟の形成に欠かせない瓦です。
他のお宅の棟修理工事の写真を見ながら解説します。棟頂部の瓦を「棟瓦」「冠瓦」「紐丸」などと呼びます。
この棟瓦を取り外すと、黄土色の葺き土が見えました。この黄土色の葺き土も一旦撤去してしまいます。
そうするとその下にかまぼこ板のような形状の直方体の瓦が見えますが、これが熨斗瓦です。
左右から2枚の熨斗瓦が棟の中央に少しの隙間を設けて追い当てられ、最後に棟瓦を被せて仕上がっていたことが解かります。
大棟と隅棟の接合部分を棟の真上から見た状態の写真がこちらです。
一見すると何も問題ない様に見えますが、実は大きな問題を抱えています。
後で解説しますが、大雨の日にこの部分から雨水が入り込んで、2階の和室が雨漏りし、天井に大きな雨染みができました。
先ほどの写真で棟瓦を外した後に、葺き土を一旦撤去しましたが、そこには隙間が出来ていることが見えて解かります。
実はこの隙間は元々あるものではなく、しっかりと黄土色の葺き土が詰め込まれ、熨斗瓦同士の隙間も埋められていました。
どうして棟瓦を外し、盛られていた葺き土を取り除くと、こんな隙間が出てくるのでしょうか。
それは棟内部に雨水が侵入していて、洗い流されて痩せてしまったと強く推定できます。
大棟と隅棟の接合部分を拡大して見てみます。どうでしょうか。
大棟とこれに追い当たる両側の隅棟との間に大きな隙間が見えます。
この隙間は漆喰が充填されて雨水を遮断していますが、欠損してこれだけ隙間があれば雨水は簡単に瓦の内部に入って行きます。
ここから入り込む雨水は隅棟内部に流れ込んで行き、棟瓦や熨斗瓦をしっかり接着させていた葺き土を緩めます。
軽く湿気た程度で、晴れた日に乾燥してまた締め固まると、所期の接着性能を取り戻すので問題ありません。
しかし葺き土を洗い流し痩せさせてしまうほどの流入量があると、もう棟は所期の性能を果たさなくなります。
棟内部の葺き土が緩み、更には洗い流されると、葺き土を介して接着されていた棟瓦、熨斗瓦が外れやすくなります。
熨斗瓦は水平に積まれているのではなく、水勾配と言う緩やかな傾斜を設けて積まれていますので、やがて横ずれを起こし始めます。
このときに地震が起きたらかなりの枚数の熨斗瓦が横滑りして瓦の上を滑り落ち、バラバラと軒先から落ちてくるでしょう。
微妙に熨斗瓦がずれている状態は、棟内部に雨水が回ったことがある、今もなお回り続けている可能性がある事を示しています。
これは大阪北部地震で切妻屋根の大棟が崩壊してしまったお宅の屋根の状態です。葺き土が散乱して見にくいですがよく見て下さい。
棟瓦と熨斗瓦が崩されてほとんどなくなっている部分には黄土色の葺き土が残っていますが、平瓦が両側から追い当たっている状態です。
追い当たっているというものの、そこには何センチもの隙間が存在します。隙間の内部はどうなっているのでしょうか。
防水シートであるルーフィングシートが出てくるはずです。この次に出てくるのは野地板と言う屋根面を構成する木材が出てきます。
棟の内部には平瓦の追い当て隙間が存在するので、棟内部に雨水が回ることがどれだけ危険かが解ります。
熨斗瓦がずれている状態は、天井裏を濡らす程の雨漏りがすでに始まっている場合がしばしばありますので、屋根の中でも棟は特に重要な部分のひとつです。
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