2024.11.01
こんにちは!街の屋根やさん宝塚店、生クリームが好きな京谷です(*^^*)今日のブログは、西宮市で行った「ズレが発生する棟瓦の無料調査」という内容の記事を書いていきますね!!セメント瓦屋根の接合部分には棟瓦が設けられているものです。セメント瓦屋根は重厚感がありながらも、軽量な屋根材…
宝塚市で漆喰が剥がれたいぶし瓦屋根を点検しました。
棟面戸の漆喰が剥がれているので漆喰補修だけでいいとも思えます。
棟を積み直した方がいい理由は、棟の蛇行と熨斗瓦のずれが語り掛けています。
棟と平瓦が追い当たる部分には三日月形の空間ができますが、そこを棟面戸と言います。
平瓦を敷き詰める時、棟を熨斗瓦で積み上げる時には、葺き土が瓦の内部に盛られて、安定した位置を決めてくれます。
平瓦の下の葺き土は瓦に守られますが、三日月形の棟面戸の葺き土は露出した状態になります。
そのままでは横方向から吹き付けてくる雨水に晒されますので、やがて洗い流されてしまい棟が崩れ始めます。
棟面戸を防水効果が高い漆喰を充填する事で、葺き土に直接雨水がかからないので、棟が安定的に状態を維持します。
熨斗瓦が1箇所で欠損し、欠損こそしていない物の、その他の箇所ではずれ始めている状態が確認できます。
大棟は水平状態で熨斗瓦が積まれ安定的ですが、隅棟は勾配がある平瓦の追い当て部分に位置しますので不安定な位置にあります。
それでも大棟、隅棟ともに安定的に形状を維持し続けることができますが、内部の葺き土が熨斗瓦を接着剤のように受け止めているからです。
葺き土に接着されているはずの熨斗瓦がずれているという事は、棟内部で葺き土と熨斗瓦の縁が切れている状態にあるということです。
大棟と隅棟の追い当て部分には漆喰が充填されて防水していますが、この漆喰が古くなって劣化し、両者の隙間から雨水が入っているはずです。
じわじわ浸み込み始める雨水は、徐々に棟内部の葺き土を緩めてその一部を洗い流し、接着効果が落ちて行くことが原因のひとつです。
次に衝撃的な振動が加わった時にも葺き土と熨斗瓦の縁が切れます。大きな地震動の影響を受けたときと言うことが出来ます。
このお宅では1995年の阪神淡路大震災と2018年の大阪北部地震の影響を受けています。2010年代には阪神淡路大震災の余震と言われる震度5クラスの地震もありました。
築30年が経過していますが、この間には震度4以上の地震が何回も起こっていますので、熨斗瓦だけでなく平瓦も葺き土と縁が切れている可能性も考えられます。
蛇行とは蛇がにょろにょろ体をくねらせて進む様からこう表現されますが、屋根の下から少し離れて隅棟を見ると蛇行している状態が判ります。
棟の蛇行は雨水の侵入とも関係がありますが、一番の原因は地震の揺れを受けた事で、水平方向に揺さぶられ、同じ位置に戻らなかった結果起こる症状です。
棟が蛇行する程揺さぶられると葺き土も同じく揺れ動いていますので、棟の内部では間違いなく縁が切れてしまっているはずです。
瓦の葺き土は粘り気があるやわらかい状態で盛られて、瓦を葺いた後にゆっくりと時間を掛けながら乾燥していきます。
ルーフィングが敷かれた野地板に接着し、その上に載る瓦も接着して、葺き土も相互に一体的になって瓦を安定させます。
大きな地震のエネルギーを受けると、一体的な状態で存在する葺き土は、瓦の内部でいくつもの塊に分かれてしまいまして、本来の役割を果たすことができない状態になるのです。
平瓦表面の変色から少しの劣化影響が見られるものの、これをきっかけに水分が浸み込んで、冬季に凍て割れするというほどではありません。
いまもなお十分に雨水を排水する能力を保っていますし、咬み合わせがずれている部分もありませんから、雨漏りの心配はないでしょう。
屋根面と屋根面が接合する部分は棟が積まれていますが、棟を取り除くと、瓦と瓦が追い当たっていても、そこには隙間が残ります。
そこに葺き土を盛って熨斗瓦を積み上げ、頂部には棟瓦や紐丸、冠瓦という半丸形状の瓦で棟が仕上がっていますが、この棟が劣化しているとどうなるでしょう。
排水能力が落ちた棟から侵入する水分量が多くなると、棟内部の瓦の追い当たっている隙間から雨水が入り始めます。
ここからは雨漏り症状が家の中で発生する可能性が高まっていきますので、屋根の中で棟は特に重要な部分のひとつだと言えます。
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