近年の金属屋根工事ではガルバリウム鋼板素材がほぼ100%ですが、一昔前まではトタン屋根が大半でした。金属製であることは知っていても、トタンがどんな金属なのか、ブリキとはどう違うのか、明確に違いを理解して認識できている方は少ないと思います。今さら聞きにくいトタンとブリキの違いを整理しておきましょう。
トタンは、鉄板に亜鉛をめっきした鉄板の事を指します。トタンの語源としては,ポルトガル語のTUTANAGA(亜鉛と銅の合金を意味する)に由来するとの説などがあります。
鉄板を塩酸や硫酸で洗浄して表面の酸化物を除去し、水洗後に亜鉛の中にドブ漬けして製造します。現在は電解めっき製造法が主流です。
屋根材のほか、様々な板金製品などを作る時に用いられる金属ですが、酸性には弱い性質がありますので、溶剤容器や缶詰には使用されません。
ブリキは、鉄板に錫をめっきした鉄板の事を指します。鉄板を塩酸や硫酸で洗浄して表面の酸化物を除去し、水洗後に錫の中にドブ漬けして製造します。現在は電解めっき製造法が主流です。
ブリキはトタンよりも酸に強いので、缶詰や溶剤、油脂類用の缶に使われます。
亜鉛と錫は同じ金属でも、それぞれが持つ性質が違います。トタンに使われる亜鉛は鉄よりも酸化しやすく、自然界では鉄よりも早く酸化し被膜を作りますので、被膜が表面を保護します。
トタン表面に傷が入り基材の鉄板が露出して、部分的に酸化が始まっても亜鉛は酸化が早く、それよりも鉄板は酸化し始めるのが遅いので、鉄板が守られます。
一方ブリキの表面をめっきされた錫は、鉄よりも酸化が遅いので安定しています。亜鉛よりも鉄板の保護力が高いめっき素材と言えます。
しかし表面傷で鉄板が露出すると、酸化速度が速い鉄板が先に錆が生じますので、錆び始めると内部への進行が速い欠点があります。
めっきとは金属や非金属物質の表面に金属皮膜を接着させる金属加工技術のことです。
かつてめっきは塗金と表記していたようです。
電解めっき技術が開発される前は、高温で溶かした亜鉛や錫を鉄板表面に塗っていたことから、塗金と言う表記はよく理解できます。
時代とともに新しいめっき工法が生み出されました。奈良東大寺の大仏様は金を水銀に溶かして塗っていた史実からもわかるように、金が溶けて見えなくなることから滅金と表現されるようになりました。
galvanized steel sheetと表記します。亜鉛メッキを英語ではgalvanizingと表記するのです。現在はガルバリウム鋼板がもてはやされていますが、新時代の革命児のような扱いのガルバリウム鋼板もトタンの歴史そのものだということが分かります。
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