庇屋根には「板金、ステンレス、銅板、瓦」などの素材が使われることが一般的ですが、今回のようなステンレスや銅板は塗装によるメンテナンスができません。

その分、耐久性は高いものの、特に銅板製の庇屋根は経年劣化によって穴が開くことがあります。

穴があくと雨水が浸入し、下地材の腐食につながるため、状況によっては貼り替えが必要になるケースもあります。

西宮市で古くなった庇屋根をガルバリウム鋼板でカバーする現場紹介

屋根の葺き替えや外壁塗装の工事に合わせて、銅板製の庇屋根も新しくしたいというご相談をいただきました。

まずは、貼り替え前の庇屋根の状態について簡単にご紹介します。

貼り替え前の庇屋根は銅板製で、長年の使用により表面が鶯色に変色していました。

銅板は設置当初は10円玉のような色をしていますが、15年ほどで黒くなり、30年を超えると徐々に鶯色へと変化します。

さらにそのままにしておくと、雨水が当たりやすい部分から酸化が進み、やがて穴が開いてしまうため、適切なメンテナンスが必要になります。

庇屋根の下地は木製でしたが、表面が色あせている程度で、大きな腐食は見られませんでした。

今回は外壁塗装の際に防腐塗料を塗布する予定です。その施工の様子については、別の記事で改めてご紹介します。

既存の庇屋根は釘で固定されていましたが、長年の使用で釘が抜け、穴が開いている箇所が見受けられました。

こうした小さな穴から雨水が入り込むと、知らないうちに下地材が腐食してしまう恐れがあります。
そのため、庇屋根の固定方法には注意が必要です。

特に、屋根の表面から釘を打つ工法は、防水性の面でリスクがあるため推奨されません。雨水の侵入を防ぐ工夫が求められます。

既存庇屋根を撤去して下地の補強を行います

それでは、西宮市で行った庇屋根の貼り替え工事の工程を順にご紹介します。

まず、既存の銅板製庇屋根を撤去するため、壁際で切断作業を行いました。
表面は経年変化で鶯色に変色していましたが、裏側を見ると銅本来の色が残っている状態です。

なお、このような庇屋根の場合、撤去せずに上から新しい屋根材を重ね張りする方法も選択できます。
現場の状況を見極めながら、最適な施工方法を決めていきます。

庇屋根の撤去が完了したら、次に下地の補強作業に入ります。

新たに施工する下地には、厚さ12ミリの合板を使用しました。

この合板は屋根の下地としても使われる強度のある材料で、耐久性に優れています。庇のサイズに合わせてカットし、隙間ができないよう丁寧に貼り付けていきます。

庇屋根の貼り替え作業では、下地用合板をビスでしっかりと固定します。

ビスの取り付けは、適当に行うと裏側から見えてしまうため、必ず庇屋根の下地となる垂木を狙って固定するように気を付けます。

これにより、仕上がりが美しく、耐久性も高まります。

防水シートを貼って下地材を守ります

次に行うのは、庇屋根の貼り替えで非常に重要な防水シートの施工です。

以前の庇屋根にも防水シートが施工されていたため、下地材は良好な状態が保たれていました。

この防水シートがないと、庇屋根の接合部から雨水が浸入し、下地が腐食する原因となり、結果的に大規模な修繕が必要になります。

庇屋根のような場所に防水シートを施工する際は、壁際を立ち上げることが重要なポイントです。

屋根と外壁の接合部分は、雨漏りを引き起こしやすい場所です。
この方法で防水シートを立ち上げて貼ることで、そのリスクを避けることができます。

なお、西宮市の現場で使用している防水シートは「改質アスファルトルーフィング」という種類のものです。

高耐久のガルバリウム鋼板を庇屋根に貼っていきます

次に、ガルバリウム鋼板を使用していきます。

まずは、庇屋根の周りに唐草という水切りを取り付けます。

これには、下地材の端部を雨水から守る役割と、新しいガルバリウム鋼板製の庇屋根をしっかりと固定する役目があります。

水切りの取り付けが完了したら、ガルバリウム鋼板を加工して庇屋根に貼り付けていきます。

ガルバリウム鋼板は、鉄とアルミを組み合わせた金属で、耐久性に優れ、錆にも強い特徴があります。
また、加工がしやすいため、屋根や外壁材としてよく使われています。

さらに、豊富なカラーバリエーションがあり、お好みの色を選ぶことができます。

庇屋根のジョイント部分には、雨漏りを防ぐためにシーリングを挟みます。

現場によっては異なる止水方法を用いることもありますが、基本的にジョイント部分にシーリングを使うことが雨漏りを防ぐ重要な対策となります。

このタイプの庇屋根では、壁際の立ち上がり部分をビスでしっかり固定し、軒先や端部は最初に取り付けた唐草にしっかりとつかませて固定します。

以前の庇屋根では釘で穴を開けていた方法ですが、こちらの方法では穴を開けることなく、しっかりと庇屋根を固定できます。

仕上げ作業に壁際の処理を行います

西宮市で高耐久なガルバリウム鋼板を使用した庇屋根補修の費用