アスファルトルーフィングにも似た名前の屋根材アスファルトシングルは、およそ140年前にカナダで開発され、北米では突出した人気を誇る屋根材です。
一般住宅の80%以上で親しまれ愛されているそうです。
コロニアルやカラーベストなどのスレート系屋根材に見た目にはよく似ていて見分けが難しい場合もあります。
もし触ることができる状態であれば、すぐに判別することができます。柔らかい材質ですので、手で簡単に曲がります。
その柔らかさから、複雑な形状の屋根や、曲面の屋根、一部に曲面がある屋根でも、屋根材が柔軟に追随するので施工が可能です。
アスファルトシングル屋根は20年~30年くらいが寿命だと時間に幅を持たせて表現する方が多いように思います。
実例を見ていますと、屋根材の状態にバラツキがあることが多いので、時間に幅を持たせている理由が理解できます。
しかし飛来物が当たるとか施工不良があったなどを除いて、25年~30年は雨漏りなしで耐えてくれる強さが十分にあると感じます。
このマンションのアスファルトシングル屋根を例に挙げて実情を検証してみます。
昨年秋の台風21号の強風で被害を受けました。剥がれている部分があることが、写真から見ることができます。
これを接近して見てみます。剥がれている部分に特徴があります。
屋根材が表面に出ている部分を働きと言いますが、働きがちぎれてなくなっています。
表面に出ている部分の劣化は時間とともに進み、内部に隠れている部分は守られています。
この状態で雨漏りはしないのかと心配になりますが、この屋根では雨漏りしない状態でした。
1枚1枚を捲り上げて屋根材が重なっている内部を検証しましたが、内部は密着していました。
もし内部が密着しておらず、張り重ね部分まで強風に引っ張って行かれていたら、下地のルーフィングシートも破れていたことでしょう。
結論を申し上げると、表面が劣化していたので強風で引き裂かれたが、雨漏りする状態ではないということです。
最新のアスファルトシングル材では進化しているので、およそ20年前のアスファルトシングル材と単純比較はできませんが、当時のものは塗装をして守る必要があったと言えそうです。
表面の劣化は紫外線が最も大きな劣化因子が作用しますので、紫外線劣化を避ければ良いことになります。
1)接着剤の補強
表面にでている働き部分の劣化が軽微で、接着不良の箇所がある場合、裏面にシングルボ
ンドを増し打ちして強風に対処する方法です。築年数が浅い場合に限り有効です。
2)表面の塗装
スレート系屋根材の塗装と同じ塗装工程を経て仕上げます。
「高圧洗浄」→「接着調整」→「下塗り」→「中塗り」→仕上げ塗り」
※使用する塗料は「水性塗料」に限ります。油性塗料は成分が溶剤系ですので、アスフ
ァルト成分を溶かす可能性が高く、水性塗料に限るべきです。
※アスファルトシングル本体が劣化してから塗装をしても、本体の強度が回復すること
はありませんので、劣化する前に塗装する必要があります。
3)カバー工事(重ね葺き)
今現在のアスファルトシングルの上から新しい屋根材で覆う工事です。コロニアルやカラー
ベスト、アスファルトシングルなどの起伏が少ない屋根で積極的に採用されている工法です。
カバー工事(重ね葺き)は古い屋根材を解体撤去しないので、「解体人件費がない」「廃材
が排出されず処分費がない」長所もあります。
屋根が2重になりますので少々屋根重量が増えますが、防水層が2重化されるので雨漏りし
にくい長所が生まれ、防音効果、断熱効果も高まります。
4)葺き替え工事
旧来の屋根工事の主流である葺き替え工事です。現在までのアスファルトシングルを全部解
体撤去し、場合によっては下地の野地板やルーフィングシートも交換します。
日本でアスファルトシングル屋根はあまり普及しておらず、施工技術が未熟な施工会社や職人の工事では、築年数が10年以内なのに、
「風に煽られる音が顕著になる」
「屋根材が一段の塊で浮き上がる」
などのトラブル事例を聞くことがあります。
アスファルトシングル屋根材に弱点があるのではなく、施工方法が悪かったのです。
コロニアルやカラーベストは屋根に上って踏ん張ると、屋根材が抜ける場合があります。軒先で抜けると踏ん張りがきかず、滑落する危険性があります。
アスファルトシングルは屋根材に鉱物粒子が焼き付けられています。新品の時でもある程度鉱物粒子が剥がれ落ちますので、屋根表面は大変に滑りやすい状態です。
屋根工事を経験して心得ている方なら結構ですが、一般の方はできるだけ自分で点検することを避けて頂く方が望ましいと思います。
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