まだ洗い流すことができていない雰囲気を感じるかも知れませんが、高圧洗浄が終わった後の屋根表面です。直撃した洗浄水の周囲に飛散した飛沫が完全に洗い流れていない状態を作ります。
この後すすぎ洗いをしてきれいさっぱりとしますので、洗いあがっていない感覚は正しい感性だと思います。
大棟から順に(水上から水下へ)軒先に向かって、すすぎ洗いをした後の屋根の状態です。乾き始めると白味を帯びてきます。
元々の屋根材コロニアルの色は黒でした。その屋根材コロニアルに汚れが付着して、黒、灰、茶が混ざった状態でした。洗い流すと元々の色まで落ちて行きました。
剥離にも近い高圧洗浄作業中と、最後のすすぎ洗い中のどちらでもいいのですが、屋根の棟から軒先へ向かって洗浄水が流れてきます。
屋根材と屋根材の上下方向の継ぎ目を何箇所か見てみました。そうすると大きな違いがある箇所に気が付きました。
屋根材同士が密着している箇所と若干の隙間が存在する箇所があることです。
ほとんどの屋根材の上下方向の重なり部分はほぼ密着しています。しかし稀に若干の隙間が生じている屋根材の重なり部分が存在します。
(屋根材コロニアルは硬い屋根材ですので、屋根材を重ねて葺いて行くとどうしても隙間が生じるのは自然なことで、異常ではありません。不陸になってしまう部分もあろうからです。)
密着している状態の上を流れる水分は、屋根材の継ぎ目に表面張力が働いた結果滞留しています。一方隙間がある状態の上を流れる水分は、表面張力が働かず水分が切れています。
写真の左側方向から数mm程度屋根材コロニアルを持ち上げてみました。(それ以上持ち上げるのは危険です。
硬いコロニアルが割れる可能性があります。)
表面張力でつながり滞留していた水分が、左から一気に切れて行きました。
持ち上がっていない右側は表面張力が働いたままです。
屋根材同士が密着しますと、毛細管現象と表面張力の両方が働いて、屋根材の継ぎ目の水分が再びつながり始めます。
そして屋根材と屋根材の継ぎ目の水分は、元通りにつながってしまいました。
屋根材同士が密着していると、高圧洗浄水の流れを見ていてわかるように、表面張力によって水分が長く滞留します。
屋根材の継ぎ目に水分が長く滞留すると、毛細管現象によって、屋根材の重ね部分内部を水分が遡上(逆流)します。
やがてルーフィングシートの上まで到達して、雨漏りの危険性がでてきます。
また屋根材の内側では結露することがしばしばあります。結露の水分は発散すれば問題ありませんが、塗装膜が屋根材の隙間を閉じてしまい、水分が抜けていく道がなくなっています。
屋根塗装をしたあとは、屋根材と屋根材の継ぎ目を、元々の状態に戻す作業として縁切りをする必要性があります。
この屋根は塗装工事前ですので、屋根材と屋根材は縁が切れています。しかし密着していると表面張力で水分をいつまでも滞留させようとしていることが分かります。
いつも密着している屋根材同士に微妙な隙間を人為的に空けて、表面張力による水分の滞留をさせない、毛細管現象で水分を遡上(逆流)させない効果があるタスペーサーが必要だと言うことが解ると思います。
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