外壁タイルには、建物が揺れた時に力を逃がしてタイル同士が干渉しあって破損を防ぐ干渉目地が設けられます。
干渉目地がない状態だと、地震や通行車両、建物が受ける風圧で受ける横揺れによって、四角い物質がひし形になろうとする力を受けます。
その力が微々たる範囲であれば特段の影響は出ませんが、それが少し大きめの時には、長方形の外壁タイルは互いに干渉しあい、タイル同士を壊そうとします。それを防ぐ目的で干渉目地が設けられます。
外壁タイルはセメントモルタルやコンクリートボンドで、下地の鉄筋コンクリート壁面やALCボードに張り付けられて、建物の外壁を飾り、防水対策とされています。
外壁タイルはそれぞれを隙間なくぴったりと密着させて張り付けられているのではなく、目地と言う隙間を設けて、目地にはモルタルを左官工事で塗り込んで防水し、化粧仕上げされています。
マンションの外壁タイルは、直接風雨を受ける外壁と、直接風雨を受けない内壁があります。
前者はモルタル目地から雨水が侵入するので、やがてはモルタル目地から発散されて乾燥します。
後者も同じ構造にありますが、内壁は直接風雨を受けませんから、水が滲み出して来るほどの風雨を受けているとは考えにくいのです。
このマンションは、各フロアに5部屋があります。各お部屋には換気扇がありますので、室内の空気は廊下天井のダクトから排出されます。
居住者様の生活呼気によって、お部屋の空気にはある程度の湿気が含まれますが、それが水が滴るほどの水分量とは考えにくいです。
冬場ではみなさまが暖房を入れられますので、お部屋の空気を換気扇で排出されるときには、外気との温度差で結露をして、ある程度の水滴が発生する事が考えられますが、その量は水浸しになるほどではないはずです。
水は上から下へ流れますから、水分が発生する場所よりも上の場所の状態を観察してみることが定石です。2階の廊下をくまなく観察します。
2階の廊下は重量鉄骨造の骨組みにコンクリート土間が打設されて仕上げられています。2階も3階の廊下も屋根があり天井がしつらえられています。
廊下と外部の隔壁には頑丈な外壁が設けられています。外壁塗装も十分に塗膜が防水していますので、廊下の土間は雨の日でもほとんど濡れることはありません。
2階と3階の廊下の土間付近を観察すると、やはり雨水が侵入する可能性が考えられる場所がありました。廊下の土間と外壁タイルの継ぎ目に、小さいながら隙間がありました。
ごくわずかな隙間ですが、この隙間を水分浸入の重大箇所と考えることにしました。なぜかと言うと、この場所にはコーキングが打たれていないからです。
コーキングが劣化しているとは言え、もしシールされていれば、ジワジワと数日にもわたって水が流出するほどの浸水はなかったのではないと考えられるからです。
コーキング職人さんと協議をして、工事予定になかった場所を追加工事でシールしてもらいました。雨漏り修理工事の結果は即日判るものではありません。
工事期間中に何回も雨降りの日がありますので、雨が上がった後の日には、入念に雨漏り修理が出来たのかを観察します。
コーキング工事のあとで晴れた日に、少なくとも3回以上の確認作業を行いましたが、内壁下部の干渉目地からは水が滲み出て来ることは確認できませんでした。
雨漏り修理は最も難しい工事に位置付けられています。一回の診断で原因を特定することが出来る場合もあれば、今回のように古いコーキングを撤去すると、水が湧き出る場合もあり、屋根工事、雨漏り修理を専門の街の屋根やさん宝塚店でも、一筋縄ではいかない難題だと捉えています。
雨漏り修理は、相当な場数を経験していないと早期に特定することができないばかりか、経験値が豊富でも時間をかけないと特定できない症状もあります。
屋根工事や雨漏り修理を依頼する時に、安易で簡素な調査と判断で見積もりを出し、結論付けをする建築業者は信用しない方が得策です。
私ども街の屋根やさん宝塚店は、場合によっては何回も現況調査をさせていただきます。そしてお客様に経済負担が最小になる取り組みをしております。
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