サイディングボードには様々な規格がありまして、1枚仕立ての大きな外壁板ではないことを前回ご紹介しました。
一般的な450mm×3,000mmのサイディングボードを繋いで行きますが、継ぎ目にはおよそ10mmの隙間を設けます。この隙間を目地と呼びますが、目地は建物が揺れる時に受けるエネルギーを逃がす役割を果たしています。
わずか10mmの目地ですが、その隙間を侮ることはできません。空から降り注いでくる雨水は上から下とは限りません。
少しの風が吹いているだけで、雨の降り注ぎは角度を生じます。強めの風が吹くと瞬く間に30°から45°くらいの角度が付きます。
強風時には得てして雨が降りますので、その角度はよりきつくなり、果ては横殴りの雨になります。そうなると雨水を受け止めるのは屋根だけではなく、外壁も受け止めていることに気づきます。
このように申し上げて実際の気象状況を想像すると、目地をコーキングで埋めて防水する重要性をご理解いただけると思います。
外壁には様々な素材が用いられています。杉の焼き板や漆喰仕上げ、モルタル外壁、サイディングボードやALCボード、鉄筋コンクリートの打ちっぱなし仕上げやタイル仕上げなど様々な外壁が見られます。
外壁には様々な役割りがありますが、その一つに外部からの浸水を妨げる防水の役割がります。
外壁の工法が進化した前述のサイディングボード以降の外壁では、目地が設けられていますが、目地のコーキングも防水の役割を果たしています。
外壁の塗膜と外壁の目地に打設されるコーキングは防水という観点で同じ仕事をしています。
極端な例ですが横殴りの雨や、普通に起こる屋根から伝ってきてしまう水分の侵入を防いでいます。
外壁塗装で被覆される塗膜と目地のコーキングは、同じ仕事をする観点からはどちらが先でも防水効果には差異が生じることはありません。
外壁塗装を先に施工した場合を想定します。まずは古いコーキング材の撤去作業をコーキング職人さんが行います。
そして塗装をすると塗られた塗料は目地の内部まで塗装されます。
塗装作業の工程は3回塗りが原則ですので、3回の塗装工程が終わってから、コーキング職人さんが再度工事に入ります。
コーキング工事が終わると、目地のコーキングがむき出しになっている状態ですから、コーキング表面を保護するために、再び塗装工事が入ります。
コーキング表面の塗装作業も3回塗りを原則としますので、少ない塗装表面のために、オープンタイムを守るために、塗装職人さんたちは多くの待ち時間を費やします。
ここまですると丁寧で完璧な外壁工事になりますが、外装工事は大変天候に左右されます。雨季と乾季がはっきり分かれている国では天候の影響は受けにくいですが、3日晴天が続くことが珍しい天候の変化が激しい日本では、数時間単位の天気を読みながら外装工事を進めます。
そんな気象条件を読みながら工事を進める塗装職人さんやコーキング職人さん方を、都合よくタイムリーに工事にかかってもらうよう天候による進捗ロスを工事費用に含めると、とんでもない高額な工事費用になってしまいます。
それでも完璧な工事をしたいと考えている方は、その費用を負担してでも工事条件を指定してもらえば良いと思いますが、外壁塗装とコーキングは永遠不滅ではありません。その割には費用負担ほどの効果が期待できない現実があります。
外壁に施された塗装も目地に施されたコーキングも劣化します。劣化するには多くの要因が関与しています。寒暖差、含水率、太陽光に含まれている紫外線が代表格です。
紫外線は様々な物質を劣化させます。屋根瓦、スレート屋根、金属屋根、外壁や自動車のボディー、お店の看板、道路の白線、果ては私たち人間も上記の代表格要因の影響を受けます。
その中のひとつで、太陽光に含まれる紫外線がいかに劣化をもたらすかは、街の屋根やさん宝塚店のコラムをお読みいただきたいとおもいます。
むき出しのコーキングは紫外線の影響を受けると極端な例ですが3年程度で硬くなりすぎて、外壁の目地から離れることがあります。いわゆるコーキングの切れが起こります。
ところがコーキングが直接的な外部要因を受けない状態であると、20年以上も外壁の継ぎ目を守り続けて工事によって打ち換える必要がない例があります。
以上の条件を加味して考えますと、外壁塗装よりもコーキング工事を先に済ませておくことが、機能性の観点と経済合理性の観点の両方を満たしている順序であると思料します。
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